そのころ
あたしは
すっぱだかになって
ベットにもぐっていた

おなかのビーチ

ちょうしっぱずれの
カセットテープが
へやのすみで
まわっている



 おぉーい!
 おぉーい!
 そこいらは
 すっかり
 がらんとしてるだろう



むねが
ハルをかんぢるとき
かっきり
いちぢかんおくれのとけいが
あたしを
ろくぢゅっぷんだけ
とりのこしてゆく

それが
ずぅっとのびた
みみのおく
(しんしん)
としている



 おぉーい!
 おぉーい!
 ぢぶんがどこからきたのかなんて
 わからない
 あなたのいってることが
 わからない
 なんだかわからない
 どこへゆくのかなんて
 しらない



うちよせる
(うみほたるだろうか)
しんぞうで
(キキん ききン と)
もえている

 オォーイエェー 
 ビューティホォー
 ハルモニア

たんぢゅんなままで
しにたい



 (
 あったかい
 まだ
 あったかい
 
 まえがみを
 きりそろえて
 しおさいは
 なきさけびたいほど
 ひらけて 
  )



もしもハルをかんぢたら
はしりだせばいいんだ


ためらいながら
ふりむく
あのひとのせなかが
ぺかっとなって
あたしは
ほんとうに
いのったんだ
なかったことにしたんだ


かかとが
ぱちんっとはぢけ
いつからか
このからだは
おんなのからだになった


(あなたは かやくのにおいがする)

(よこたわる わたつみの きょくせん)


うみは
うつくしかっただろう



あれらは
みな
あたしの
うまれかわりです

はんぶんにわかれて
おきへかえります

あたしは
あたしのきせつのなかで
すこしだけつかれて
そうしてみだりに
ないたりはしなかった



 (
 いくせんの
 たましいがながれつき
 いくせんの
 てのひらが
 あたしを
 てまねいている
 いくせんの
 いくせんの
 つきよをこえて
 あれは
 ヒヤデスでしょうか
 なくことに
 とまどいなど
 なかったのです
 そうです
 あめふりヒヤデスです
  ) 


あめには
かみさまがやどって
あたしの
いのちをにがしてしまいました


おなかをころがる
ゆびのそくどで

まっすぐなビーチ 



 おぉーい!
 おぉーい!
 いとおしくて
 いとおしくて
 そのてのひらを
 つかんだんだろう



こどもみたいに
なきわめいて

やさしい
ひざがしらが
こごえてる


 かいそく!

 かいそく!


やさしい
よこがおが
こごえてる



 (
 シャボンだまをふくらます
 ほおのまるみが

 あたしを
 はなさない
 )



かぜが
からだぢゅうをはしる
ちの
そくどで 
はう
あなたの





そこいらが
ピンクいろに
そまって