futatu

(iti)

かみさまがくれた
あたしがどうか
木のように
たおれないでいられますように
この足に
もしも役割があるなら
もうずっとこうしてる。
てのひらは
ひらかれて
つながれて
約束よりかたく
むすばれて
大切なんだって
なんどもくりかえしたけど
木のようには
永くは生きられなかった。
祈ることは
食べることとよく似ている。
箸を運ぶ
正しいふりをして
丁寧に運んでは託してゆく
ほんとうは
なんにも知らないのに。
ちからをこめて
ここにいつづけること
目をつむったりはしない
渾身であたしが
木のようにみえますように。
雨にうたれてるときも。


(ni)

てのひら
ひらいて
てのひら
ひらいて
あたしは
はだし
はだかんぼ
しょくぶつの
群を
あるく。
まほうをかけて。